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2011 年度 実績報告書

室町期漢籍注釈における五山僧・公家学者間のネットワークと学問環境の実態解明

研究課題

研究課題/領域番号 22720089
研究機関早稲田大学

研究代表者

藤巻 尚子  早稲田大学, 文学学術院, 助教 (50551016)

キーワード和漢比較文学 / 注釈 / 五山僧 / 三国志 / 医学書
研究概要

室町期から江戸期にかけての寺社の学問活動を垣間見るべく、『三国志演義』と『太平記』、さらには、イギリスのグラストンベリ修道院のアーサー王伝説について、比較検討を行った。その成果を、「『ぎ三国志演義』と『太平記』における怨霊と聖地-関羽・新田義興の比較、付・アーサー王伝説との類似性-」(『中世の軍記と歴史叙述』竹林舎 2011・4)として発表した。
本年の主たる課題としては(昨年度からすでに着手してきたものではあるが)、室町期の学者たちの日記やその他のテクスト類に見える、医学関連記事・情報を収集整理を行ってきた。その成果の第一弾として、桃源瑞仙の『史記抄」、月舟寿桂とその弟子たちが手がけた国立歴史民俗博物館蔵南宋黄善夫刊本『史記』(南化本)を取り上げ、両テクスト内の「倉公扁鵲伝」に施された注解について比較検討を行い、両者の志向性の違い、さらにはその違いを受けて、月舟の医学的領域への関与の深さを指摘した。詳しくは「『史記抄』「扁鵲倉公伝」にみる桃源瑞仙の志向性-室町期の学者たちと医学・医書-」古典遺産61 2012・3刊行予定)に論じた通りである。
さらに、上記の論文の続稿を用意するべく、月舟個人に焦点を絞り、当該時期における彼の医学への取り組み方の特異性について、月舟の著述を同時代の学者たちの日記と比較することで明らかにしてきた。その結果については、今現在、投稿に向けて最終調整段階にあるところである。
地震により、予定していた調査、資料閲覧ができなかった鄙分もあり、当初の計画通り順調に課題を進められたとはいえず、保留となってしまった部分もある。それらについては、科研費は終了するが、来年度以降引き続きの課題として研究を進め、論文化していくつもりである。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 『史記抄』「扁鵲倉公伝」にみる桃源瑞仙の志向性-室町期の学者たちと医学・医書-2012

    • 著者名/発表者名
      田中(藤巻)尚子
    • 雑誌名

      古典遺産

      巻: 61号 ページ: 21-31

  • [図書] 『中世の軍記物語と歴史叙述』内「『三国志演義』と『太平記』における怨霊と聖地-関羽・新田義興の比較、付・アーサー王伝説との類似性-」」2011

    • 著者名/発表者名
      佐伯真一編(他25名の執筆者の1人として藤巻尚子)
    • 総ページ数
      638
    • 出版者
      竹林舎

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公開日: 2013-06-26  

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