研究課題
本研究は、19世紀後半から20世紀初期のアメリカ文学における「アメリカンガール」表象を考察し、その変容と、文学的・文化的位置づけを探るものである。平成22年度は、世紀転換期(1870-1920年)の「アメリカンガール」像に関する応募者のこれまでの研究を発展させつつ、さらに前後の時代(1850-1870年、1920年代)のアメリカ文学における少女像・女性像へと対象を広げて研究した。日本での研究の他、資料収集のため2度の海外出張を行った。(1)8月10日~17日までネブラスカ州リンカーンに、18日から24日までワシントンD.C.に滞在し、資料収集を行った。ネブラスカ大学図書館では特別コレクションとなっているWilla Catherに関する文献(作品の原稿や書簡などの資料の調査・収集)およびF.Scott Fitzgeraldに関する研究文献を調査・収集した。ワシントンD.C.では議会図書館にて20世紀初頭の雑誌を調査し、雑誌で描かれる女性像や女性の社会運動に関わる資料を収集した。(2)3月7日~23日までワシントンD.C.に滞在し、議会図書館およびメリーランド大学カレッジパーク校図書館にて、資料閲覧・収集を行った。収集した文献は、Cather、Fitzgerald両作家の作品における「アメリカンガール」像を考察する上で大変重要なものであり、また20世紀初頭の雑誌の資料は、当時の女性表象の文化・社会的背景を知る上で本研究に不可欠な資料である。研究の成果は論文と研究発表という形でまとめた。上記の資料収集で得たFitzgeraldの資料については現在考察を進めており、今後論文としてまとめる予定である。
すべて 2010
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)
博士論文(The University of Maryland, CollegePark)