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2012 年度 実績報告書

9.11同時多発テロ以降のイギリス小説

研究課題

研究課題/領域番号 22720116
研究機関中京大学

研究代表者

板倉 厳一郎  中京大学, 国際教養学部, 准教授 (20340177)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワードイギリス文学 / テロ / 暴力 / 多文化主義 / ポストコロニアリズム / ポストモダニズム
研究概要

本研究の目的は、9.11同時多発テロ以降のイギリス小説(たとえば、イアン・マキューアン『土曜日』)などが多文化社会と暴力をいかに表象しているかを探ることである。とりわけ(1) 9.11以前のテロ表象(たとえば、ジョーゼフ・コンラッド『密偵』)や同時代の他言語文学(ヤスミーナ・カドラ『テロル』)と比較して暴力表象がどのように異なっているか、(2) 新左翼思想や多文化主義政策への幻滅がどのように作品の世界観に影を落としているか、という2点を明らかにする。平成24年度は、パット・バーカー『ダブル・ビジョン』とマーティン・エイミスと批評家テリー・イーグルトンの間で起こった2006~7年の筆禍事件を中心に研究した。平成24年9月にオックスフォード大学マンスフィールド・コレッジで開催された国際学会では、『ダブル・ビジョン』における暴力表象についての研究発表をしたのみならず、9.11について文学研究者以外の発表を聞き、意見交換ができたのは大変有意義であった。『ダブル・ビジョン』は暴力表象をめぐる美的・倫理的ジレンマを主題としており、そのようなジレンマを経ずに暴力を「非理性的なもの」「他者」に結びつけてしまう(平成23年度に研究した)『土曜日』とは好対照をなしている。なお、この研究発表は論文として電子出版される予定である。また、『Albion』に掲載された論考「現代英文学の『ある傾向』──マーティン・エイミスの発言をめぐって」では、この論争で「勝った」かたちになったエイミスの用いた論理が彼の作品の傾向のみならず、近年のイギリス文学におけるひとつの傾向を形成していることを指摘した。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 現代英文学の「ある傾向」──マーティン・エイミスの発言をめぐって2012

    • 著者名/発表者名
      板倉厳一郎
    • 雑誌名

      Albion

      巻: 58 ページ: 62-73

  • [雑誌論文] "I have become death": Shalimar the Clown and the Post-9/11 Anglo-American Sensibilities2012

    • 著者名/発表者名
      Gen'ichiro Itakura
    • 雑誌名

      Illuminazioni

      巻: 19 ページ: 32-69

    • 査読あり
  • [学会発表] Representing the Pain of Others: Pat Barker’s Double Vision2012

    • 著者名/発表者名
      Gen'ichiro Itakura
    • 学会等名
      The 6th Global Conference: Fear, Horror and Terror
    • 発表場所
      英国オックスフォード大学マンスフィールド・コレッジ
    • 年月日
      20120908-20120908
  • [図書] Fear, Horror, Terror(仮題)2013

    • 著者名/発表者名
      Catalin Ghita
    • 総ページ数
      未定
    • 出版者
      Inter-Disciplinary Press
  • [図書] Fearful Symmetries2012

    • 著者名/発表者名
      Riley Olstead
    • 総ページ数
      170 (23-32)
    • 出版者
      Inter-Disciplinary Press

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公開日: 2014-07-24  

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