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2011 年度 実績報告書

現代アメリカ文学における歴史の概念について

研究課題

研究課題/領域番号 22720120
研究機関同志社大学

研究代表者

藤井 光  同志社大学, 文学部, 助教 (20546668)

キーワード現代アメリカ文学 / 物語行為 / 時間性 / 歴史 / Richard Powers / Annie Proulx / Salvador Plascencia
研究概要

本研究は、現代アメリカ文学において、物語と時間という観点から、物語行為において実践される時間の様態が「歴史」という時間性を問い直し、時には乗り越えるような試みを見出すことを主眼として行われた。具体的には、ダニエル・アラルコン(ペルー出身)やサルバドール・プラセンシア(メキシコ出身)といった、二十一世紀に入って登場した世代の作家たちにおいて、移民文学にあるようなアイデンティティの探求が主題とはならず、むしろ、特定の国家や集団への帰属というあり方そのものを問い直すような思考が展開され、そのなかで、国家による歴史構築とは異なる時間性が現れていることを、Singaporeで行われた国際学会にて報告した。また、アニー・プルーやリチャード・パワーズなど、典型的な「アメリカ作家」たちが「ロード」を主題とし、かつアメリカ合衆国の歴史構築に抗うように物語を展開していることを、日本アメリカ文学会関西支部例会にて報告した。それらの洞察、平成22年度を含む過去に発表した論文をまとめ、Ourside,Americaというタイトルの単著としての出版契約を、アメリカ合衆国の出版社Continuum Publishingと交わしている。これにより、物語による時間構成をプラグマティックな視点からとらえ、それが現代文学において重要な主題となっていることが、国内外の学会において認知されたものと考える。
なお、アラルコンとプラセンシア、およびレバノン出身のカナダ人作家ラウィ・ハージの小説の翻訳を刊行した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012 2011

すべて 学会発表 (2件) 図書 (3件)

  • [学会発表] Dear American Road : Annie ProulxのPostcardsとロード・ナラティヴの暗転2011

    • 著者名/発表者名
      藤井光
    • 学会等名
      日本アメリカ文学会関西支部例会
    • 発表場所
      京都産業大学(京都)
    • 年月日
      2011-09-10
  • [学会発表] Voices from Outside : The Case of Contemporary American Fiction2011

    • 著者名/発表者名
      藤井光
    • 学会等名
      The Contemporary : An International Conference of Literature and the Arts
    • 発表場所
      Nanyang Technology University (Singapore)
    • 年月日
      2011-06-25
  • [図書] ロスト・シティ・レディオ2012

    • 著者名/発表者名
      ダニエル・アラルコン(藤井光訳)
    • 総ページ数
      347
    • 出版者
      新潮社
  • [図書] 紙の民2011

    • 著者名/発表者名
      サルバドール・プラセンシア(藤井光訳)
    • 総ページ数
      284
    • 出版者
      白水社
  • [図書] デニーロ・ゲーム2011

    • 著者名/発表者名
      ラウィ・ハージ(藤井光訳)
    • 総ページ数
      291
    • 出版者
      白水社

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公開日: 2013-06-26  

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