平成24年度は、まず19世紀末から20世紀初頭のロシアの音楽家のタネーエフ、グラズノフ、カトワール、イッポリトフ=イヴァノフ、ブルメンフェリド、リャプノフの生涯、作品について研究し、それらについて日本アレンスキー協会第5回例会、第6例会において発表を行った。 また、彼らの師であり、ロシアの芸術界に多大な影響を与えたリムスキー=コルサコフについての研究も不可欠であるとの認識に至り、この音楽家の生涯についての研究を開始したほか、また特に象徴主義との関連についての研究を始めた。その成果の一部は大学の紀要論文の中で発表した。 また、19世紀半ばから20世紀初頭のロシア・ロマンスの分析も進め、同じ詩作品につけられた異なる作曲家の複数の曲の分析を行い、その成果の一部は声楽家と共同で演奏会の中で行った。 さらに、20世紀初頭のロシア象徴主義とロシア音楽との関係の文献を読み進め、今後の研究の準備を進めている段階である。
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