本研究においては、エミール・ゾラの小説描写を19世紀の絵画史、写真の受容と発展など視覚芸術との関わりから検討した。ゾラの小説、美術批評、書簡を、アカデミスムの影響下にある絵画、マネや印象派画家たちの芸術活動、ジャポニスム等を視野に入れて分析し、『ルーゴン・マッカール叢書』における描写の特質を照射した。最終的に、雑誌論文5本を発表した。 研究方法については、2010年度、2011年度の夏期休暇中にフランスの美術館と美術館付属図書館へ赴き、検討すべき絵画・写真作品、文献を調査した。学期中は大学図書館等で本研究に関する資料を収集し、精読と分析の作業を進めた。
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