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2010 年度 実績報告書

グレバン作『受難の聖史劇』諸写本の研究-作品伝承と詩作技巧-

研究課題

研究課題/領域番号 22720133
研究機関東北大学

研究代表者

黒岩 卓  東北大学, 大学院・文学研究科, 准教授 (70569904)

キーワード仏文学 / 文献学 / 演劇学 / 詩作技巧 / 写本学
研究概要

本年度では、アルヌール・グレバン作『受難の聖史劇』の諸写本の内でも、本研究課題の主な調査対象であるH写本の転写を開始した。この作業を通じ、当該写本を読解する上でのいくつかの問題を把握することができ、今後の調査の方向性に関する示唆を得ることができた。こちらの作業は来年度も引き続き行う予定であり、余裕に応じて他の写本の調査も考慮に入れたいと考えている。
同作品を同じ主題を扱った中世演劇作品の中で位置づけるべく、サント・ジュヌヴィエーヴ図書館蔵写本1131に収録された『我らが主の受難の聖史劇』の写本・詩作技巧の調査を行い、その内容を発表・論文として執筆した。なかでも、詩作技巧の不規則性を考える上で格好の材料となる、孤立詩行の成立過程とその解釈法に関して研究を行った。こうした周辺関連作品の写本・詩作技巧の研究も、来年度中に出来るだけ行いたいと考えている。
さらに年度半ばには、以前より共同作業を行っている二名(D・スミス及びX・ルルー両氏)のフランス人研究者とともに、イタリアのスーザにてアルプス周辺で書かれた聖史劇作品(『聖アンドレの受難劇』)における詩作技巧の構造に関する研究発表を行い、イタリアや他のヨーロッパ諸国の研究者からの意見を得ることができた。また同じ機会に、パリにおいてグレバン研究の第一人者であるD・スミス氏の研究指導学位論文審査会に参会し、グレバンに関する最新の研究成果を把握する機会を得ることができた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 『我らが主の受難の聖史劇』(サント=ジュヌヴィエーヴ図書館所蔵写本1131収録)の孤立詩行の評価について2011

    • 著者名/発表者名
      黒岩卓
    • 雑誌名

      Nord Est(日本フランス語フランス文学会東北支部会報)

      巻: 4 ページ: 21-34

    • 査読あり
  • [学会発表] 中世演劇の韻文構築原理を巡る諸問題:サント・ジュヌヴィエーヴ図書館所蔵写本1131に収録された諸作品を例に2010

    • 著者名/発表者名
      黒岩卓
    • 学会等名
      日本フランス語フランス文学会 東北支部大会
    • 発表場所
      秋田
    • 年月日
      2010-11-13
  • [学会発表] Ipotesi sulla funzione del testo drammatico fra scrittura e oralita : il problema dei versidetti《irregolari》nei testi drammatici occitani2010

    • 著者名/発表者名
      Taku KUROIWA, Xavier LEROUX, Darwin SMITH
    • 学会等名
      Teatro religioso et communita alpine
    • 発表場所
      スーザ、イタリア
    • 年月日
      2010-10-15

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公開日: 2012-07-19  

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