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2013 年度 実績報告書

中国斉梁時代の「艶詩」の新研究

研究課題

研究課題/領域番号 22720143
研究機関高崎経済大学

研究代表者

大村 和人  高崎経済大学, 経済学部, 准教授 (80431881)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2014-03-31
キーワード艶詩 / 南朝梁 / 蕭綱 / 儒教 / 陌上桑 / 艶詩行 / 言志 / 臨終作品
研究概要

今年度、本研究者がまず取り組んだのは、桑摘みの女性が主人公である楽府「陌上桑」の南北朝時代の模擬作品の研究である。南朝梁陳期の詩人である張正見が制作した「艶歌行」は、『楽府詩集』では「陌上桑」系列の作品群に属している。この作品に見られる「夫の帰宅」という特徴的要素は他の陳代詩人の「陌上桑」の模擬作品には見られず、青年期に張正見が所属していた文学集団の領袖、梁の蕭綱の模擬作品に始まるものであった。そして、この要素は夫婦の幸福を頌するものであり、夫婦など家族の幸福を象徴的に描くことは、国家の平和を祈念するものであった。以上のような梁代文学の傾向が張正見の「艶歌行」にも影響を与えたと考えられる。
今年度、本研究者が次に取り組んだのが梁の蕭綱における「言志」の意味の再検討である。死の直前、幽閉中に蕭綱が制作した作品として詩歌「被幽述志」一首と「連珠」三首が残されている。これらの作品に見られる特徴的表現から、蕭綱の思想の根幹は儒教にあったことが理解される。彼にとって死は儒教の王国である梁朝からの退去であり、文学活動を共にした文学集団のメンバーとの別れであった。そのことを題材とした詩歌には「述志」という題名が付された。本研究と本研究者の以前の研究の成果から、蕭綱にとって「言志」とは「儒教思想を共有する集団と自分との位置関係を示す」ことであり、平時に文学集団のメンバーと制作した艶詩も、メンバーから引き離されて幽閉中に制作された「被幽述志」も、両極端ではあるが彼にとって「言志」作品であった。そしてこの「言志」は伝統的な儒教の文学思想に違反するものではなかったと位置づけることができる。

現在までの達成度 (区分)
理由

25年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

25年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 南朝梁・蕭綱の西曲模擬作品再考2013

    • 著者名/発表者名
      大村和人
    • 雑誌名

      高崎経済大学論集

      巻: 第56巻第3号 ページ: 1-13

    • 査読あり
  • [学会発表] 南朝梁・蕭綱「文章放蕩論」試論2014

    • 著者名/発表者名
      大村和人
    • 学会等名
      六朝学術学会第28回例会
    • 発表場所
      二松学舎大学
    • 年月日
      20140300

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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