本研究は、清末中国の改革者でジャーナリストでもある梁啓超と明治日本の関係について考察したものである。第一に、梁啓超が来日後「新民」思想を構築する過程について考察した。具体的には、梁の死生観から宗教、墨子、中国古来の文化への関心に至る過程を読み解き、また章太炎等他の思想家についても検討した。さらに、康有為の従兄康孟卿や同門何樹齢等、梁啓超の周辺人物についても関係資料の調査・発掘を行った。本研究を通して、康有為、梁啓超らの変法運動とその後の活動内容について明らかにし、近代日中関係、文化交流においても、新たな様相と意義を提示することができた。
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