研究課題/領域番号 |
22720148
|
研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
嶋田 珠巳 山形大学, 人文学部, 准教授 (80565383)
|
キーワード | アイルランド英語 / 世界英語 / 言語意識 / 言語接触 / 言語変化 / クレオール / アイデンティティ |
研究概要 |
本研究の目的は、フィールドにおける言語調査に基づいてアイルランド英語の動態的研究を充実させ、世界英語研究への事例的および理論的貢献をはかることである。 (1)アイルランド英語に関する調査 アイルランド共和国コーク市およびケリー県において、アイルランド英語話者の言語意識および言語使用の実態に関するフィールド調査を行った。 (2)世界英語および接触による言語変化に関する文献調査 アイルランド英語がさまざまな英語変種との関係でどのように位置づけられるかを考察するため、世界英語諸言語に関する文献調査を行った。さらに接触による言語変化の考察のため、クレオールおよび類型論分野においての文献調査を行った。 (3)学会、研究会への参加および研究発表 2011年5月、東京移民言語フォーラム第1回国際シンポジウム(東京大学)にて、アイルランド英語の文法・語彙特徴の使用の有無とアイデンティティの関係性に関する研究発表"Non-use, noidentity? : The assessment of the 'non-use' judgement in Irishmarkers' in Hibemo-English"を行った。英国ケンブリッジ大学にて社会言語学研究会など複数の研究会に参加した。方言のコミュニケーションとアイデンティティについての考察を小稿にまとめた(『遠い方言、近い方言』山形大学出版会、46-56頁)。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
フィールド調査、文献調査とも順調に行い、分析作業を進めている。研究発表および研究会への参加などを通して、関連分野の研究者との研究交流を積極的に行っている。
|
今後の研究の推進方策 |
アイルランド英語の言語的特性を世界英語との関連でみていくことが最初の関心であったが、コミュニティにおける英語の役割形態による位置づけだけではその本質には近づき得ず、言語接触現象の動態的観点からの分析を進めていく必要があると考えている。
|