平成24年8月13日から29日にかけて雲南省での調査をおこなう。具体的な活動としては、以下のとおりである。1.研究協力者である雲南大学副教授の楊文輝氏とともに、すでに入力及び翻訳済みの資料及び語彙集の最終的なチェックを行った。特にテキスト及び語彙集に付した国際音声記号に関して、入念にチェックを加えた。2.また調査地においては、現地の民間芸能人の王祥氏らの協力を仰ぎ、大本曲の実演を行ってもらいこれを記録した。3.さらに王祥氏より、未記録の大本曲の台本を借り出し、これを写真撮影する。4.大本曲の伴奏に用いられる三弦(中国三味線)の演奏方法について、元・大本曲芸人の黄永亮氏に協力を仰ぎ、聞き取りを行い、記録をした。 上記「1.」について、研究代表者と楊文輝氏との間で、白語(ペー語)の発音体系の捉え方に若干、意見の相違がみられた。このため、作成したテキストの修正が必要となった。正確を期すために、残念ながら、白文資料そのものの成果発表については24年度中には見送ることにした。国内においては、現地調査前にテキスト資料を作成する作業を行った。また帰国後、楊文輝氏と検討した結果をふまえて、テキスト作成の最終チェックを行った。
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