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2010 年度 実績報告書

チベット・ビルマ語派ルイ語群の比較言語学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 22720155
研究機関京都大学

研究代表者

藤原 敬介  京都大学, 総合博物館, 教務補佐員 (00569105)

キーワード記述言語学 / 比較言語学 / チベット・ビルマ語 / ルイ語群 / カドゥー語 / ガナン語 / 基礎語彙 / 声調
研究概要

2010年度は本務校での業務の都合により、当初予定していた海外での調査をおこなうことができなかった。そのかわりに、すでに収集した資料の整理と分析を集中しておこなった。成果として、三回の学会発表をおこなうことができた。いずれの発表も、現在調査を継続中であるチベット・ビルマ語派ルイ語群のカドゥー語とガナン語にかかわるものである。
これまでの調査・分析の結果、カドゥー語とガナン語の音韻論について概要をほぼ把握するとともに、両言語における声調発生ならびに声調交替のしくみについて、基本的な部分は理解することができた。すなわち、両言語においては、通時的あるいは共時的に存在する接頭辞の影響により、中声調が低声調に変化するという規則があることを発見した。さらに、高声調に後続する中声調は低声調に変化するという規則があることも発見した。この二種類の規則を考慮することにより、共時的には第一音節にあらわれる低声調があるばあい、通時的には接頭辞が先行していた可能性がたかいということ、そしてその接頭辞は高声調をになっていた可能性がたかいということがわかった。また、カドゥー語やガナン語にみられる名詞修飾節を形成する小辞GAは、同系のチャック語にみられるGAと形式も機能も非常によくにているということをあきらかにした。
今年度発表された学術論文は、過去に投稿していたものがたまたまこの時期に掲載されたものである。本研究費による直接的な成果であるとはいえない。今後は、今年度おこなった発表を論文にまとめる作業をおこなうとともに、資料の整理をさらに継続し、カドゥー語やガナン語の基礎語彙集を作成したいとかんがえている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Nominalization and related phenomena in Marma2011

    • 著者名/発表者名
      HUZIWARA Keisuke
    • 雑誌名

      North East Indian Linguistics

      巻: 3 ページ: 105-119

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ウスイ語基礎語彙2011

    • 著者名/発表者名
      藤原敬介
    • 雑誌名

      アジア・アフリカの言語と言語学

      巻: 5 ページ: 79-115

    • 査読あり
  • [学会発表] カドゥー人とその言語2011

    • 著者名/発表者名
      藤原敬介
    • 学会等名
      2010年度ビルマ研究会
    • 発表場所
      亜細亜大学
    • 年月日
      2011-05-15
  • [学会発表] ガナン語における低声調について2010

    • 著者名/発表者名
      藤原敬介
    • 学会等名
      日本言語学会第141回大会
    • 発表場所
      東北大学
    • 年月日
      2010-11-27
  • [学会発表] Burmese loanwords in Kadu2010

    • 著者名/発表者名
      HUZIWARA Keisuke
    • 学会等名
      The 9^<th> International Burma Studies Conference
    • 発表場所
      プロバンス大学
    • 年月日
      2010-07-07

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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