まず、昨年度に引き続き、アカン語辞書作成のための最終チェックを行った。これは、辞書刊行のため、これまで取りためてきたデータを編集する過程で、発音、声調、意味などの面において疑問のあるものや、追加調査が必要なものをネイティブスピーカーに確認する作業である。インフォーマントは昨年度と同様、千葉県在住のアカン語アサンテ方言ネイティブスピーカーで、チェックは8月、9月、1月、3月に行った。また、修正、追加内容を含め、エクセル上での辞書編集を進めた。最終チェック、編集ともにほぼ終了に近づいており、今年の秋もしくは来年の春には刊行できる見通しである。なお、ソーティング、インデックス作成、レイアウトなどテクニカルな部分での編集は、業者にお願いする予定である。また、辞書はアカン語-英語-日本語のインデックスをつけるが、英語のネイティブチェックもお願いする予定である。このほか、これまで調査してきたアカン語ファンテ方言とアサンテ方言のデータをもとアカン語の音節構造と声調負担単位」というテーマで、9月に行われた日本音声学会(於金沢大学)で発表した。
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