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2010 年度 実績報告書

北関東無アクセント地域におけるアクセントとイントネーションの分析

研究課題

研究課題/領域番号 22720182
研究機関宇都宮共和大学

研究代表者

高丸 圭一  宇都宮共和大学, シティライフ学部, 専任講師 (60383121)

キーワード方言 / 無アクセント / イントネーション
研究概要

本研究は,北関東の無アクセント地域に着目し,自由会話音声データの収集,音声データの,ピッチ抽出および,分析用データベースの作成,北関東無アクセント方言の音調の分析とモデル化等を実施することを目的としている。
本年度は,若年層の独話,若年層同士の自由会話,若年層と老年層の自由会話をそれぞれ収集し,書き起こし,分割,ピッチ抽出などの基本的なデータ処理を行った。
また,栃木方言話者の尻上がり調のイントネーションに着目し,出現位置の分類を行った,この結果,老年層の尻上がり調の出現位置は,収集した資料の範囲では,共通語の発話でもピッチ上昇が生じやすい位置であり,必ずしも方言の特徴であるとは言えないことが明らかになった。若年層話者の尻上がり調は栃木方言と知覚されるようなピッチの昇降で,若い女性などが用いるいわゆる「尻上がり」イントネーションを実現していることが明らかになった。
さらに,Praatを用いて句末上昇のピッチパタンを加工した音声を用いて,栃木方言話者の尻上がり調と標準語話者の上昇調の弁別に関する知覚実験を実施した。この結果,栃木方言と標準語を使い分ける若年層は,傾きの大きい上昇を栃木方言的な句末上昇(尻上がり調)であると知覚し,傾きが小さくなると標準語的な句末上昇(上昇調)であると知覚することが明らかとなった。
従来,栃木方言の尻上がり調は,頻繁に生じる,無アクセントに付随して起きる,際立って上昇するなどの特徴が指摘されていたが,本研究の結果から,栃木方言の尻上がり調のもっとも大きな要因は,標準語の上昇調と知覚的に弁別可能な「より高い上昇」を示すピッチパタンにあることが明らかになった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 栃木方言の尻上がり調における句末上昇-聴取実験による上昇調との比較-2012

    • 著者名/発表者名
      高丸圭一
    • 雑誌名

      宇都宮共和大学論叢

      巻: 第12号 ページ: 29-44

  • [雑誌論文] 栃木方言における尻上がり調の出現位置-老年層と若年層の女性話者の比較-2011

    • 著者名/発表者名
      高丸圭一
    • 雑誌名

      明海日本語

      巻: Vol.16 ページ: 89-91

    • 査読あり

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公開日: 2012-07-19  

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