動詞不変化詞構文に出現する2種類の目的語は、figureとgroundであるが、これらの目的語は交替という統語的派生によって生じるのではなく、それぞれ別々の構文において生じるものである。このことは、壁塗り構文の場合でも同様である。また、figureが目的語である構文の例としては使役移動構文があり、groundが目的語である構文の例としては結果構文やtime-away構文、二重目的語構文がある。構文の持つ目的語の種類に着目することによって、これまで包括的に扱われてこなかった構文を、figureを目的語とする位置変化構文と、groundを目的語とする状態変化構文に分析し直すことが可能であると示した。
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