研究概要 |
以下の研究項目を平成23年度より継続して取り組んだ。 1.(人称)代名詞縮約の通時的変化(icham > I'm, 'tis > it's, etc.) 2.否定辞縮約の通時的変化(you aren't > you're not, etc.) 3.「名詞+is」主節の談話標識機能の通時的考察(thing is, > my thing is, etc.) 項目1の研究成果は「沖縄外国文学会」の機関誌Southern Review (2012)に掲載された。(人称)代名詞縮約の形態依存関係の変化は通言語的に見て異質であるが、先行研究では特別視されていない。項目2については、熊本学園大学教授堀正弘氏を研究代表とする科研費研究会での慫慂発表依頼を受け、現在は論文としての成果刊行の準備をしつつ、更に詳細な研究として「第5回後期近代英語学会」(LMode5, Italy, 2013)での発表準備をしている。一方で、「名詞+is」主節の談話標識化と所有人称詞の生起についても調査を開始し(項目3)、「The 7th Studies in the History of the English Language conference」および「The 17th International Conference on English Historical Linguistics)」での研究発表を行った。両論文とも英文論文として準備中であるが、関連論文の寄稿依頼を受け、『日英語に見られる文法化・構文化研究(仮)』の一部として刊行予定である(2014年)。 「名詞+is」主節構文の通時的研究は世界的にほぼ皆無に近い。特に、my thing is等の一人称所有格を伴う表現群は話者の主観性の統語的反映であり、これまでの理論的基盤に対する実証的反例でもあるため、国際的な(共同)研究活動へ繋がる可能性が高い。
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