研究課題/領域番号 |
22720198
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
大津 友美 東京外国語大学, 留学生日本語教育センター, 講師 (20437073)
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キーワード | 異文化間コミュニケーション / 対人関係 / 会話能力 / 相互行為能力 / 初対面状況 / 友人同士の会話 |
研究概要 |
平成23年度は、調査Iの継続・成果発表と調査IIのためのデータ収集・整備などを行った。 調査Iは初対面の二者間会話の分析である。欧米系留学生(中級者、上級者)と日本人学生による日本語会話、中国人留学生(中級・上級)と日本人学生による日本語会話、日本人学生同士の日本語会話の3種類を微細な特徴に注目して分析した。その結果、相手の話への反応や質問への返答など、留学生・日本人学生それぞれの会話のしかたがインタラクションに与える影響の一側面を明らかにすることができた。また、日本語学習者と日本語母語話者の会話における修復のしかたについても分析し、その違いを報告するとともに、日本語教育における指導の可能性について学会発表した。調査Iの総括は、平成22年度の成果と合わせて、平成24年度に行う予定である。 調査IIは、当初、ロールプレイにより様々な初対面状況での相互行為を収集し、分析する予定であったが、調査Iを通して、初対面状況の会話だけでなく、友人関係を築いている者同士の会話の特徴も明らかにする必要があると考えた。また、実際の様々な会話場面の中での相互行為能力を記述する必要があると判断し、大学の仲間同士で実際に行われたパーティーでの会話やキャンパスでの雑談などを録音・録画し、分析することにした。 そこで、平成23年度は、以上のデータ収集と整備を中心に行った。20分~90分の会話を14組集めた。会話参加者はそれぞれ2名~5名であり、どの会話にも留学生が参加している。平成24年度にデータ分析ができるように、すべての会話を文字化した。 また、主に英語で行われている会話が2組あったため、日本人学生が日本語で会話を行う場合との比較を後で行えるように、発話順番交替の現象に注目して別途分析し、学会発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、その目的を果たすために三つの調査を計画した。その当初の計画どおり、平成22、23年度に、調査Iがほぼ完了し、調査IIも分析のためのデータ収集・整備を終えることができた。24、25年度にはすべての調査を終え、研究の総括が行える見通しである。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題の推進のために、今後も引き続き研究協力者との連携を図りたいと思う。具体的には、会話データ収集の一部は研究協力者に依頼する。また、会話の文字化資料の整備も研究協力者に任せ、研究代表者は分析・考察に集中できるようにしたい。
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