研究概要 |
平成22年度の研究実績について,[1]~[3]の下位計画ごとに報告を行う。 [1]評定データの尺度化に用いる項目反応モデルおよび得点等化法の開発に関しては,ワークステーション等の研究設備・備品を調達するとともに,国内外の文献調査による統計モデルの理論研究を推進した。また,豪州ACERを訪問し,パフォーマンスアセスメントの尺度化における妥当な項目反応モデルについて,研究協力者とのディスカッションを行った。 [2]日本留学試験400字記述課題の項目反応理論による試行的尺度化に関しては,採点基準となる評定尺度をより精緻化するために,当初採用する予定であった豪州ACERで用いられているGAMSAT評定尺度に加え,米国TOEFLや英国IELTS,GCSE,GCE等で用いられている論述試験の採点方法に関する情報収集を行った。 [3]適性試験型の日本語論述課題の開発に関しては,日本の大学入試で過去に出題された小論文課題を収集する一方で,英国における公的試験GCSE,GCEの日本語科目のサンプル項目を入手し,内容面の検討を行った。また,日本国内の研究協力者とのディスカッションを通して,モニター本試験で用いる修学能力試験CSAT,日本留学試験EJU,日本語能力試験JLPTの既出項目からなる客観試験の構成・版組に関する事前調査に計画を前倒しして着手した。海外モニター試験の実施地に関しては,研究計画の立案段階では韓国のみでの実施を予定していたが,年度中に海外学術機関との積極的な協力関係を樹立し,中国,台湾,香港,韓国,インドネシアでのモニター試験実施に向けて協力者との調整を進めている。
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