研究課題
日本人英語学習者のスピーキング能力がどのように伸びるかについては、中学校・高校・大学において研究されてきたが、まだ一定の傾向が見えてきていない。本研究は、先行研究の不一致を説明し、発達にどのようなパターンがあるかを吟味するために、メタ分析を用い、日本人英語学習者のスピーキング能力がどのように伸びるかについて、メタ分析を用いて先行研究を総括することが目的である。メタ分析とは、関連した先行研究の知見を統計的に統合する手法である。本研究では、複数の先行研究における結果を統計的に統合し、全体的な発達傾向だけでなく、中高大での違い・指導方法の違いなど、発達に影響すると思われる要因ごとに発達パターンを吟味する。4年目の最終本年度では、メタ分析の手順の一部である、文献の収集、収集した先行研究の吟味と必要な情報のコーディング、分析と解釈を行うために、以下3点を行った。第1に、先行研究を包括的・系統的に収集した。メタ分析に必要な情報を抽出し、効果量を算出した。スピーキング能力の発達の違いに影響すると考えられる要因 (例:対象者は中学生か高校生か大学生か、分析指標は何か) を整理し、入力した。国内外の学会と文献を通して研究手法と関連研究の動向を学び、メタ分析に入れるべき文献や手法について再確認した。第2に、申請者が先行研究で使用した発話データの指標の結果を、ラッシュ分析を用いて再分析し、タスクに影響されない能力値を算出した。先行研究ごとに算出した効果量を用いて、量的な統合を行った。第3に、メタ分析の結果の考察を行った。全体的には伸びが見られたが、流暢さ、正確さ等の観点別に見ると、発達の程度は異なっていた。また、対象者や分析指標においても異なる結果が見られた。メタ分析により、全体的・個別の傾向が示されたが、同時に、今後、個別研究をさらに行って深めていくべき領域も示された。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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