前年度において、本研究の基礎作業として解放後韓国の外国語教育の通史の構築に努めたのに続き、本年度は、留学事業および留学生の量的・質的変遷に関する歴史的研究を中心に行った。前年度の成果を基礎としつつ、本研究に一貫する問題意識を再度整理するとともに、個別テーマおよび関連テーマの論稿を蓄積して、最終的な研究成果をまとめるべく準備を行った。米国立公文書館(NAIRA)において、米軍政期南朝鮮および大韓民国独立直後の時期の教育施策および米国による対韓援助に関する米国側資料の収集を行い、これは現在分析の途中にある。韓国での補足調査も行い、ソウルおよび釜山において資料収集や専門家との協議を繰り返したほか、学術関係者および政策関係者の協力を得て、韓国の外国語教育政策および留学関連施策に関する資料収集・インタビュー調査を行うことにより、韓国の留学生送り出しにおける複合的要因をさらに精緻に検討するとともに、先行研究から得られる情報の更新や知見の検証も行うことができた。それらの成果の一部は、書籍などへの寄稿、関連学会や研究会などでの報告により公表したほか、メディアへの寄稿やインタビュー取材への対応を通じて、一般にも紹介するよう努めた。
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