本研究は、解放後韓国の留学生送り出しにおける外国語教育の役割を分析するものである。その成果としては、次の点が挙げられる。第1に、解放後韓国の外国語教育の通史を構築に努めた。従来から、韓国の英語教育政策、初等学校(小学校)英語教育の現状などについて資料収集、研究発表を行ってきたので、本研究では、それらの研究を出発点として日本語・中国語・欧州諸語など外国語教育政策の通史的・制度的整理を行った。第2に、韓国で行政機関、高校・大学、民間の語学学校などの視察・調査を行い、外国語教育政策を、特に為政者の言語観と教育部門において策定される具体的な政策の関連についての知見を深めることができた。第3に、米国立公文書館において、米軍政期(1945-1948年)南朝鮮における外国語教育政策関連の資料を収集した。第4に、韓国の外国語教育との比較として、日本・香港・シンガポールの外国語教育に関する検討を実施した。これらに関連する成果の一部は、日本「アジア英語」学会、日本言語政策学会などの大会や研究会で報告され、さらに研究代表者の著書に収録された。本研究の最終的な成果は、今後、著書・学会誌において公表する計画である。
|