本研究の目的は、実際にネイティブスピーカーが運用した言語データベースであるコーパスを利用した実証的な英語語法文法研究の成果を教育現場に直接還元できるようなサイト及び演習ソフトを開発することである。 平成22年度は、文献や学習英和辞典を参考に、日本人が間違えやすい、また英語を伝達する際に必要不可欠な基本語法と文法項目を選定しウェブ上に掲載する原稿作成が研究・作業の中心であった。計画はやや遅れているが、基本語法・文法の選定が現在300項目終了し、その内の100項目は既に原稿が完成している。平成22年度に行った研究結果と完成した原稿の一部は、学会発表及び論文の形で発表を行った(裏面を参照)。また、研究結果をそのまま教育現場である教室で還元できているという点でも、非常に意義のある研究が推進できていると考える。 一方、一つ一つの語法・文法説明を調査し作成するのに時間がかかるため、当初の目標項目数であった1000項目には達していない。平成23年度も継続して選定・原稿作成を進め、年度終わりまでに目標値に近づける計画である。また、ウェブ上への掲截及び演習ソフトの開発方法には依然検討の余地があり、どのような形式で提示することが、学習者がアクセスしやすく、また学習しすいのかを精査することも手つかずの状態である。平成23年度の秋を目安に、ユーザーフレンドリーなウェブも辞典にするためのパイロット調査を行い、実際にサンプルを一項目作成し今後の指針とする計画である。 上記のように、推進速度は若干遅れてはいるが、一項目の中身は徹底した調査により完成したものであるので、継続した調査を行い、研究計画に少しでも近づけて充実したサイトと演習ソフトを完成させる考えである。
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