研究課題
2010年度は、字体検索の高度化を達成すべく、墨/背景分離のための画像処理、および絞り込み検索との親和性が高い字体認識技術を中心とした研究ならびに成果発表を行った。画像処理では色空間の変換、周波数帯分離など様々な手法の効果を精査し、その成果は国際学会ICFHR2010においてITESOFT best poster paper awardを受賞した。また、字体認識技術では筆の太さの変化による誤認識に頑健な手法を開発し、利用者が筆跡を補完・推定しながら字体検索を行う際の精度向上を達成した。画像処理では、墨の退色と木片(背景)の変色により形状が曖昧になった字体を先鋭化しつつ、同時に字体以外の部分にノイズが乗るのを防ぐ必要がある。これらは基本的に相反する要素であるが、本研究では特性の異なる複数の画像処理を併用することで両立できることを明らかにした。ただし、実際の運用においてユーザに複数の画像処理を選択実行させるのはユーザビリティの面から好ましくない。この点については複合的な画像処理を効果的に組み合わせ、操作に必要な手間を最小化するための実装を次年度の課題としたい。字体認識については画像処理との有機的な連携を通して精度を高められるよう改良を行った。この成果を活用し、絞り込み検索におけるユーザビリティを画像処理と共通化することで、字体の先鋭化と検索をシームレスに実施できるユーザインタフェースの実装に繋げたい。
すべて 2010
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (2件)
Proc.2^<nd> China-Japan-Korea Joint Workshop on Pattern Recognition
巻: 1(口頭発表あり) ページ: 47-49
巻: 1(口頭発表あり) ページ: 185-188
Proc.12^<th> International Conference on Frontiers in Handwriting Recognition
巻: Vol.1, No.1(口頭発表あり) ページ: 358-362
人文科学とコンピュータシンポジウム論文集
巻: 2010-15(口頭発表あり) ページ: 27-32