研究概要 |
本年度は、本研究の初年度として、準備の年度と位置づけている。その計画のひとつとして、国内における関係資料の収集を掲げたが、これは学生の協力を得て、「天理図書館増加図書目録 洋書之部 書名目録篇」の分析を中心に進行中である。上智大学キリシタン文庫、東洋文庫などについては、データベース化が進行していることもあり、必ずしも重点的な資料調査にはいたらなかった。 他方、9月におけるイタリア出張は、当初予定していたものではなかったものの、とりわけフィレンツェにおける調査打合せおよび、ヴェネツィアの国立マルチャーナ図書館における文献調査の試行は、来年度の本調査を控えて、有益な布石となった。ミラノにおいても、アンブロジアーナ図書館のほか、天正遣欧使節の関連文献に地名のみえる、ローマ門、ブレア館の踏査を実施した。 このほか、国際ワークショップ「16~17世紀の東アジア海域:新たな史料と視野から」、メキシコ史研究ワークショップ「メキシコとアジアの接点」(京都ラテンアメリカ研究所主催)などの出席を通じて、関西地区を中心に活動する関係研究者とのネットワーク構築をはかった。 主たる備品としては、高解像度の撮影を必要とする地図の調査のため、高性能デジタルカメラのほか、学内における関連研究基盤整備を目的に、当該領域の基本文献である『Documenta Indica』を購入した。 本年度は、次年度以隆へむけた環境整備の年と位置づけているため,下記における研究成果を超えて、研究目的に直結する成果は限定されたものとならざるをえないが、当初の計画からは修正をおこないながら、その目的は達しえたと考える。
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