モンゴル帝国治下中国における文化政策の様相について、主に中国の他時代の岳涜祭祀に対する政権の態度と比較検討することによって、岳涜祭祀の盛況さの原因を探った。その結果、四方の山川神を祭る岳涜祭祀を行う背景には、「領域概念」・「天下概念」とも呼ぶべき領域支配への意識があり、モンゴル帝国の支配によって中国が一つの王朝下に支配された時代となった点が、岳涜祭祀の盛況さの一因となったと結論づけた。また、道教教団と政権の関係を中心に時代的な特色が強調されてきた、この時代の文化政策の理念やあり方は、中国王朝の統治手法を踏襲する側面も大きかった点も明らかになった。
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