研究概要 |
平成25年度は、ヨーロッパや中国の研究者との相互連絡を緊密にし、今後の発展に向けた研究体制の構築に取り組んだ。 本研究では、これまで地理情報と遺跡同定を重視してきたが、データベースの本格的な構築が始まるにつれて、少人数だけでの研究だけでなく、シルクロードに関するさまざまな専門家が参加しやすい研究体制が必要であることが明らかになってきた。そのため、特にヨーロッパ方面の学界に積極的に参加し、かつてのシルクロード探険隊を送り出した機関やシルクロード探険隊の将来品を所蔵・研究する機関と連絡をとりあい、これまでの成果を広めるとともに、今後のための共同研究計画を立てた。具体的には、ドイツが派遣した第一次・第二次ドイツ・トルファン探検隊が収集したウイグル語やソグド語の文書史料を所蔵・研究するBerlin-Brandenburgische Akademie der Wissenschaften, Turfanforschungにおいて講演を行い、これまでの成果をヨーロッパの学界に知らせるとともに、今後の研究の進め方について討論した。またドイツ・トルファン探検隊のグリュンウェーデルが所属していたMuseum fur Asiatische Kunstを訪問し、ドイツ隊が収集した写真や遺物の調査を行い、今後の共同研究計画を話し合った。また、西北科学考察団(Sino-Swedish-Expedition)に参加した黄文弼が撮影した古写真や日本の大谷探検隊が撮影した古写真についても調査を進めた。 この他、HedinのCentral Asia MapsおよびKarte von Ost Persienの位置あわせを行い、KMLファイルを公開して今後の研究の展開に備えた。
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