本研究では、20 世紀初頭のシルクロード地域を探検したオーレル・スタインの地図をデジタル化して解析することで、探検隊の調査後に所在地が不明となっている遺跡の地点を系統的に解明する手法を確立した。 スタインの地図には、作成技術上の制約から地域ごとに異なる誤差が存在する。本研究では、スタインが作製した2種類の地図上の誤差の発生状況を解明した。ついで、トルファンとコータンという二つの地域で、誤差情報と現地調査に基づいて地図上に描かれた遺跡の位置を特定することに成功し、これらの成果を共有するためのシルクロード遺跡データベースの作成を進めた。
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