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2011 年度 実績報告書

中世ロシアの国家・教会関係の緊密化の法的研究

研究課題

研究課題/領域番号 22720277
研究機関岐阜聖徳学園大学

研究代表者

宮野 裕  岐阜聖徳学園大学, 教育学部, 准教授 (50312327)

キーワードロシア
研究概要

1、本年度の計画に従い、「ウラジーミル聖公の教会規定」についての論稿を完成させ、大学紀要に発表した。シチャーポフおよびカイザーの研究成果を批判し、場合によっては批判的に受容した。またこれには研究史上問題になっている四つの編集版(オレニン、シノド、ヴァルソノフィエフ、ヴォルイニ版)の翻訳と解説をつけた。これにより、14世紀までの教会と国家の法的関係についての基本史料の分析を終了したが、但し、この規定と、先年に発表した「ヤロスラフ賢公の教会規定」との比較検討という計画は実施できなかった。この検討により14世紀以降の教会と国家の法的関係の考察が可能になると考えていたが、同時期の「府主教裁判法」の再検討が先に必要であることが判明し、これについて文献を読み進めた。その結果、現在までのところ、中世ロシアの教会と国家の関係史において、一つの局面をなしたとされ、必ず言及されてきたこの法は、そうした大きな法史的解釈の一局面を担う法とは解釈できないという手応えを得ており、この検討結果の発表が次の課題である。
2、中世ロシアの教会と国家の関係についての概観、先行研究をまとめ、ロシア史研究会が24年度発行予定の研究論集に原稿を提出した。これは教会と国家の法的な関係についても扱うものである。また、ロシア正教会成立までのロシア史通史の執筆を行った。これは北海道大学スラヴ研究センター発行の叢書として発行予定の『北西ユーラシアの歴史空間(仮)』の冒頭部に当たるものであり、そのなかで、キエフ時代からのロシア(ルーシ)における教会と国家の関係についても論じた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

学会からの依頼の仕事や学外委員等が重なり、もともとエフォート値は小さく設定していたが、府主教裁判法について、この法が想像以上に判断の難しい要素を含んでいた。その意味で見通しが甘かったといわざるを得ない。

今後の研究の推進方策

研究のスピードを早めるのが第一の課題であるが、それとともに一五世紀初頭の聖俗権力の間で結ばれた諸条約のルーシ法史上の位置付け、府主教裁判法との関係についても検討する必要がある。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 中世ロシアのウラジーミル聖公の教会規定2012

    • 著者名/発表者名
      宮野裕
    • 雑誌名

      岐阜聖徳学園大学紀要

      巻: 51 ページ: 83-103

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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