研究課題/領域番号 |
22720284
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研究機関 | 鳴門教育大学 |
研究代表者 |
原田 昌博 鳴門教育大学, 大学院・学校教育研究科, 准教授 (60320032)
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キーワード | ワイマル共和国 / 街頭闘争 / ベルリン / ナチズム |
研究概要 |
本研究はワイマル期ドイツ(1920年代~30年代初頭)のベルリン(特に労働者地区)で様々な政治勢力(ナチス・共産党・共和国擁護派など)が街頭での暴力・プロパガンダ闘争を繰り返していた点に着目し、その実態や各政治勢力の関係を一次史料に基づいて分析し、それらを社会史的な具体相で捉えていくことを目的としている。 2011(平成23)年度においては、昨年度に引き続きドイツの公文書館や図書館に保存されている史料の調査・収集を活動の柱とした。具体的には、8月下旬から9月中旬にかけて渡独し、昨年訪れることができなかったベルリンの2つの文書館、すなわちプロイセン文化財団国立枢密文書館(Geheimes Staatsarchiv Preussischer Kulturbesitz)及びベルリン州立文書館(LandesarchivBerlin)で研究テーマに関する未公刊史料の調査・収集を行った。前者の文書館では街頭闘争の結果逮捕された政治運動関係者の裁判調書や判決文など司法省関連の文書、後者の文書館では当該時期のベルリン警察本部の報告書や書簡を中心に閲覧した。これらの文書は大量に保管されており、滞在期間中にそのすべてに目を通すことは困難であったが、それでも研究テーマに重要な情報を提供すると思われる史料を入手することができた。昨年度入手したものも含めた、これらの文書の分析を現在進めているが、文書の枚数が約4000枚と膨大で、かつ情報量も豊富・複雑であるため、2012(平成24)年度も引き続きこの作業を継続する必要がある。 なお、本年度は研究テーマにアプローチする準備作業の一つとして街頭闘争組織の一つである「鉄兜団(Stahlhelm)」の政治活動に関する論文を執筆した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通り、2度目の渡独で研究課題に関する史料調査を行い、研究課題に関連する史料をおおむね収集することができた。
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今後の研究の推進方策 |
過去2年間の渡独により収集した史料の分析を進め、分析結果を論文等にまとめて発表する。ただし、収集した史料が当初の想定よりもかなり膨大かつ複雑なため、分析にはやや時間を要するものと考えられる。今後は、その分析に可能な限りの時間を割き、できる限り迅速に研究成果を公表していきたい。
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