本研究では、弥生時代の小型青銅製品の詳細な調査を行った結果、鋳型素材の判別が可能となった。これは石製鋳型と土製鋳型によって青銅器の表面に残る痕跡が異なっているためである。この原理を応用して、遠隔地で出土した青銅器の製作に用いた鋳型素材を復元し、どこの生産地で製作されたものかどうかを判別することができた。その結果、生産地と消費地を結びつけることができ、青銅器の流通体系が明らかとなった。また、鋳型石材の産地同定を地球科学的分析手法でおこない、石材の入手方法や加工方法を明らかにすることができ青銅器製作技術の一端が解明できた。
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