研究概要 |
23年度の研究成果に関しては,墳丘の下草などが枯れ墳丘観察が容易になる冬期(昨年度3月)に,現地(岡山市・造山古墳群)に赴き高精度ハンディGPS(MobileMapper-CX)を使用して,1週間ほどをかけて造山古墳の陪塚5基を対象として墳丘デジタル測量を実施したデータの処理をおこなった。 取得した空間データは随時GISアプリケーションを用いて処理を行い,墳丘上をどのように歩行すれば最も効率がよいのか,あるいは計測ポイントの間隔をどのようにすればよいかなどを検証しながら作業を進めた。現在はその調査時に取得したデータの後処理および解析の途中であるが,ハンディGPSを用いた測量の精度としては,誤差±1m前後で,やや誤差が大きいものの,有用な成果が得られたと考えている。 そして,その成果の一部を,11月の『第16回 遺跡GIS研究会』において,「GPSを用いた遺跡測量の精度検証-岡山市・造山古墳群を例に-」という題目で口頭発表し,さらには,新納泉編『岡山市造山古墳群の調査概報』に「造山古墳陪塚の墳丘デジタル測量」として論文を発表し,本研究課題の成果の一部について言及した。本研究課題の成果の一部を,学会発表・雑誌論文として公表できたことは,一般に還元するという意味でも,重要な意義を持つものといえよう。 なお,学生や補助者などに作業補助を依頼することはせず,作業をすべて研究代表者がおこなったため,謝金およびその他の経費支出は発生しなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画の3ヶ年のうちの2年目において,口頭発表および雑誌論文として成果の一部を公表できたことは,当初計画よりも作業が進んでおり,評価としては,おおむね順調に進展していると考えられる。
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