本研究は、中近世移行期(16~17世紀中期)日本における都市景観の形成・変遷史の解明を目標とする研究代表者の研究の一環であり、当該期を代表する都市の一つである港町を対象とする。本研究は、歴史地理学における景観研究の基本的視角に基づいて、港町景観の研究基盤を構築するため、第一に当該期の港町に適した景観復原の視点・方法を検討した。第二に、全国の港町景観に関する先行研究と史資料等を網羅的に収集し、現段階で蓋然性の高い景観復原案を検討した。その中で、対象地域における城下町も含めた全体的な都市立地をふまえることの重要性を指摘し、尾張、防長、阿波において港町の立地と景観を考察した。
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