研究概要 |
本年度ではラオスの首都ヴィエンチャン近郊の農村地域で住民参加型GISを導入・利用し,村民・現地の研究者とともに継続的・長期的な生活環境・自然環境に関わるデータを取得するような新しい方法の開発を行った. 具体的には,はじめに従来用いられている住民参加型GISのシステムに関して,国内外の状況を精査し,システムの設計や住民参加型GISで用いられている開発,操作方法に関わる検討などを行った.ひとつは利用ソフトウェアとしてフリー・オープンかつ操作の簡単で現地の利用条件に適合した機能を持つソフトウェア,またそれらの利用状況に関する調査を行った.また,ハードウェア構成として現地の気候やメンテナンス環境の不備などを踏まえSSDなどの使用を前提とし,また複雑なサーバ管理を必要としない,クラウド型のサービスを利用したシステム構築の可能性などの検討も行った. また,地域の住民にとって,使いやすいフィールド記録ツールとして,GPSやデジタルカメラ・無線LANやBluetoothによる通信機能を備えたPDAのタッチ型デバイスを含むモバイル機器について,近年の進展を踏まえつつ,利用予定機材に関する検討や記録テスト・評価などを行った. 村民の日常生活行動と周辺の環境に関わるデータを長期的に取得し,日~季節などのサイクル的な変化と都市化や開発などによる直線的な変化の両者を継続的に住民自身・現地研究者・申請者の三者で収集・分析を行う枠組みを作るために,現地研究機関との連絡調整を行った.
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