研究課題/領域番号 |
22720320
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
河角 龍典 立命館大学, 文学部, 准教授 (60388105)
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キーワード | 古代 / 都市史 / 地理情報システム / 長岡京 / 遺跡 |
研究概要 |
2012年度は、平成23年度は、日本古代都市のうち長岡京を主要な研究対象地域としてデータベースの構築を行った。主に、向日市埋蔵文化財センターが発行する過去20年分の発掘調査報告書を活用し、遺構図に記載される建物や井戸、塀、溝などの地理情報をGISのソフトウェアを用い抽出した。 本年度は向日市埋蔵文化財センターの協力によって過去すべての向日市埋蔵文化財センターおよび向日市教育委員会発行の発掘調査報告書を収集することができた。これらの発掘調査報告書に掲載された遺構図のスキャニングおよび遺構図のジオリファレンスはすでに完了している。遺構図のデジタイジングに関しては,それぞれの発掘調査単位で実施し,調査区、建物、井戸、塀、溝について、デジタイジングの作業を行った。本年度は,調査区の形状の入力作業についてはほぼ完了することができた。 遺構図のジオリファレンスおよび調査区形状のGISデータ化によって,長岡京全体における発掘調査地点の分布を把握することができ,それぞれの発掘調査区の遺構図をGISソフトウェアにおいて閲覧することが可能になった。これまで向日市埋蔵文化財センターの発掘調査報告書のGISデータ化は実施されていない。遺構図がGISソフトウェア上で閲覧可能になることによって,隣接する発掘調査区の関係を正確に把握することができるようになった。とりわけ,条坊制に関連する道路側溝遺構の連続性を把握する上で活用できるデータを構築することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度には,長岡京の遺構図GISデータベースの構築を目的した。過去20年分の向日市埋蔵文化財センターの刊行した発掘調査報告書のジオリファレンスや調査範囲のデジタイジングは完了した。しかし,その他,建物,井戸,塀,溝の情報は,非常に大量の情報から構成されたため,一部のデジタイジングの作業を平成24年度に引き続き実施することとなった。
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今後の研究の推進方策 |
GISデータベースを構築するための膨大な作業が残されているが,おおむね研究順調に進行しており,これまでの研究方法を用い,研究を実施していく。予定より作業量が多く,データ入力作業を次年度に持ち越すこととなったが,大勢に影響はない。
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