24年度は、研究最終年度ということで、研究の補充調査、研究内容の学会報告と報告書や雑誌類への投稿、掲載をおこなった。 調査は、長崎県南松浦郡新上五島町の近世近代のマグロ定置網漁業、鹿児島県枕崎市南さつま市の近代漁業民俗、山口県長門市大浦・萩市のシイラ漬漁業、島根県津和野町・浜田市の回游魚漁業と魚の流通範囲、新潟県上越市糸魚川市柏崎市佐渡市のシイラ漬漁業と魚の食文化の歴史展開について実施した。 学会報告は、生活学会において6月に「食の安全をつくる」というサブタイトルで回游魚利用をめぐる資源循環の民俗について報告した。 報告書、雑誌への掲載については、単行本『漁業、魚、海をとおして見つめる地域』に「回遊魚利用をめぐる文化地理」、『古事記 環太平洋の日本神話(アジア遊学158)』に「魚の民俗と神話―海と川の回遊魚スズキと暖流域の回遊魚シイラ」、『生活学論叢』21巻に「食の安全・信頼を造る 地域の魚をめぐる漁撈・加工・魚食―資源循環の民俗」、神奈川大学の『国際常民文化研究叢書』1巻に「地中海マルタにおけるシイラ漁業と沖合集魚装置漁業」「コスタリカにおけるシイラの漁業と利用」「沖合集魚装置漁業をめぐる漁場利用の史的展開」、同2巻に「日本列島周辺海域における回游魚シイラの漁業と利用-明治20年代~平成10年代-」を執筆した。さらに、東京学芸大学重点研究成果報告書に論文2本を執筆した。 この3年間の研究成果を単行本としてまとめるための作業、地域振興に貢献するための作業をおこなった。
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