エチオピアとザンビアにおける食糧援助プログラムの比較研究をとおして、サハラ以南アフリカ諸国の食糧危機に対し、国際社会や政府がどのような体制で食糧援助を実施し、どのようなかたちで現地で分配されているかを現地調査と行政文書などの資料収集から明かにした。調査の結果、ドナーと援助を受ける政府との外交関係によって、援助のシステムに大きな差異があることがわかった。また、援助地域や対象者の選定では、政府や国際機関などの援助側がターゲットを絞り込む「効率的」な援助提供を目指しているのに対し、いずれの国でも、ローカル社会では、ドナーや政府とは異なる論理で「平等性」を志向した分配が実践されていることがわかった。
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