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2012 年度 実績報告書

「アワ船」による漁民移動と漁業移住の類型化に関する民俗学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 22720341
研究機関徳島県立博物館

研究代表者

磯本 宏紀  徳島県立博物館, その他部局等, その他 (50372230)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2014-03-31
キーワード漁民移動 / 漁業移住 / 伝播 / 「アワ船」 / 民俗学 / 底曳網漁業
研究概要

平成24年度は、これまでの年度に引き続き漁業移住の事例調査のため、「アワ船」の近現代漁業移住に関して、(1)漁民集団の出漁地における現地調査、(2)「アワ船」船団と同様に以西漁場に出漁した「出雲船団」の出身地における現地調査、(3)雑誌、新聞記事、漁業関係文書、写真資料等の調査を実施した。
(1)については、長崎市、福岡市において以西底曳き網漁船の元船員で、徳島県美波町等出身者に対する聞き取り調査を実施し、以西底曳き網漁業の最終段階の状況、漁業移住にあたっての契機やライフヒストリー等の個別事例について把握することができた。また、大正、昭和初期の出漁地である長崎県宇久島、平戸市的山大島において聞き取り調査を中心に現地調査を行い、漁法伝播と「アワ船」との交流について把握した。また、これらの調査と並行して徳島県美波町等における漁業移住に関する聞き取り調査も継続して行った。以上の調査で得られたデータを用いて、漁業移住の実態と、近代の漁法伝播ないし波及について分析することが可能になった。
(2)については、「出雲船団」と呼ばれ下関港を拠点に以西漁場へ出漁した船団の出身地である島根県松江市美保関町において聞き取り調査を中心とする現地調査を行い、漁船と漁法の開発、漁業移住の経緯、以西底曳き網漁業の最終段階の状況等について把握した。
(3)については、前年度に引き続き日本遠洋底曳網漁業協会等水産関係記念誌や、漁民集団の出漁地にあたる長崎県、島根県の各市町村史等の文献調査を実施した。これにもとづき、以西底曳き網漁業を総観的に把握することが可能になった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

24年度には当初の計画どおりに現地調査等を進展させることができ、分析に必要な基礎的データの大部分を収集することができた。また、これまでの成果の一部については、雑誌論文や学会発表等により発表した。

今後の研究の推進方策

これまでに得られたデータにもとづき分析を中心に進め、漁民移住の類型化を試みる。データ分析にあたり、平成25年度においては、現地調査等を引き続き行い、補足的なデータ獲得に努める。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 出羽島のカツオ・マグロ漁と機付帆船第壱蛭子丸の航海日誌2013

    • 著者名/発表者名
      磯本宏紀
    • 雑誌名

      徳島県立博物館研究報告

      巻: 23 ページ: 33-55

  • [雑誌論文] 「九州五島行き」と漁業根拠地としての玉之浦2013

    • 著者名/発表者名
      磯本宏紀
    • 雑誌名

      徳島地域文化研究

      巻: 11 ページ: 88~95

  • [雑誌論文] 漁民移動にともなう技術継承と技術伝播―伊島漁民による機械潜水技術を中心にして―2012

    • 著者名/発表者名
      磯本宏紀
    • 雑誌名

      日本民俗学

      巻: 269 ページ: 1~34

    • 査読あり
  • [学会発表] 潜水器漁業と瀬戸内海への伝播

    • 著者名/発表者名
      磯本宏紀
    • 学会等名
      四国民具研究会
    • 発表場所
      瀬戸内海歴史民俗資料館(香川県)
  • [学会発表] 近代出稼ぎ漁民による以西底びき網漁業と技術移動―双方向からみる人と技術の移動―

    • 著者名/発表者名
      磯本宏紀
    • 学会等名
      日本民俗学会年会(分科会)
    • 発表場所
      東京学芸大学(東京都)
    • 招待講演
  • [学会発表] 出羽島のカツオ・マグロ漁と第壱蛭子丸の航海日誌

    • 著者名/発表者名
      磯本宏紀
    • 学会等名
      生態人類学会研究大会
    • 発表場所
      月ヶ谷温泉月の宿(徳島県)

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公開日: 2014-07-16   更新日: 2015-05-28  

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