・北日本の裁判員裁判の実情調査 文献研究と裁判傍聴調査にもとづいて、地域司法と裁判員裁判に関する日本法社会学会大会(同志社大学開催)およびLaw and Society Association年次大会(アメリカ・シカゴ開催)での学会報告と、論文作成(「裁判員裁判の更生、治癒効果に関する試論」人文社会論叢(社会科学篇)(2010))を行った。 ・北日本の法律サービス現地調査 北海道の弁護士過疎対策に関する文献・資料研究と、紋別、帯広、釧路、中標津、網走の法律事務所等での現地ヒアリングを行い、北海道弁護士会連合会の司法過疎対策シンポジウムに参加し、基調報告を行った(北海道弁護士会連合会編『平成22年度道弁連大会記念シンポジウム・道弁連支部協議会報告集 地域住民の"裁判を受ける権利"が侵害されている!~司法過疎はどこまで解消できたか~』(2011)126-133頁)。また、青森市および五所川原市の法律事務所等で現地ヒアリングを行い、担当の裁判法ゼミナール調査報告書(『北国司法通信-2010年度弘前大学人文学部裁判法ゼミナール調査報告書』(2011))にまとめた。ひまわり基金法律事務所、日本司法支援センター法律事務所へ任期付で弁護士を派遣する法律事務所のうち、東京都の桜ヶ丘法律事務所の所長弁護士および地方勤務弁護士とともに、地域の法曹の職域に関する日本法社会学会大会ミニシンポジウム(東京大学にて2011年5月開催)に向けたミーティングと報告準備を行った。また、北東北の司法書士業務を、Gold Coast Conference on Japanese Law(オーストラリア・ボンド大学開催)で報告した。 ・オーストラリアの法律業務、司法過疎対策の研究 北日本の法律業務ならびに司法過疎対策との比較の視点から、オーストラリアのCommunity Legal Centerで現地訪問調査を行うとともに、同国における第1回National Rural Regional Law and Justice Conferenceに参加した。国内外の司法・法曹制度、司法アクセスならびに司法改革の実情に関する文献調査を敢行し、上記の研究、調査および報告に役立てた。
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