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2011 年度 実績報告書

アメリカ裁判官公選制における制度改革の試み―司法府の独立性・中立性と市民の信頼

研究課題

研究課題/領域番号 22730010
研究機関早稲田大学

研究代表者

原口 佳誠  早稲田大学, 法学学術院, 助手 (40551594)

キーワード英米法 / 憲法 / 州憲法 / 司法制度論 / 裁判官公選制 / 司法制度改革 / デュー・プロセス / 公正な裁判
研究概要

本研究は、アメリカにおける裁判官公選制の成立過程と現代の制度改革の構想を分析することを目的とする。平成23年度は、特に、裁判官選任方式の制度改革の位相を分析する研究計画を遂行した。
研究内容として、まず、カンザス州控訴裁判所で行った裁判官・研究者へのヒアリングならびに文献調査の結果をまとめた。裁判官選任方式について、従来のメリット・プランから州議会任命へと制度変更させる運動の分析から、選任制度を通じて想定される裁判官像の異同が浮き彫りとなった。
また、カリフォルニア州最高裁判所・上位裁判所の裁判官選挙の動向を精査し、年度末にはカリフォルニア州サンフランシスコ市と近隣ロースクールを訪問して実地調査を行った。特に、1984年の信任投票において首席裁判官を含む3名の裁判官が信任拒否をされた、裁判官選挙の代表的な党派化事例を検討した。同州の裁判官選任方式は日本の最高裁裁判官任命制度と類似しており、比較法の対象としても示唆に富むと考えられる。
これらの研究は、裁判官公選制が直面する現代的な課題-裁判官選挙における歯止めなき資金流入と党派政治化-と、それに対応した制度改革の現状を明らかにする。本来、裁判官公選制は、選挙を通じて民主的正統性を直接付与することにより司法府の独立を志向するものであったが、現代では、その選挙によって司法府の中立性が損なわれるケースが生じている。各州の裁判官選任方式の制度改革の試みは、司法府の独立性と中立性を、最も民主的な裁判官選任の枠組みで探究しようとする試みであり、究極的にはそれにより裁判所に対する市民の信頼を確保しようとする試みでもあるといえよう。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] アメリカにおける裁判官公選制とデュー・プロセス2011

    • 著者名/発表者名
      原口佳誠
    • 雑誌名

      比較法学

      巻: 45巻3号 ページ: 29-71

  • [学会発表] アメリカにおける公正な裁判をめぐる動向2012

    • 著者名/発表者名
      原口佳誠
    • 学会等名
      アメリカ法判例研究会・同志社大学アメリカ研究所法律部門・合同研究会
    • 発表場所
      同志社大学
    • 年月日
      20120300

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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