研究概要 |
平成25年度においては、これまでにSECおよびNLRBの和解実務(settlement)について検討したことをふまえ、連邦環境保護局(EPA)の土壌汚染の対策実務を念頭に、The Comprehensive Environmental Response, Compensation, and Liability Act (CERCLA)で展開される和解実務について検討した。 CERCLAにおける和解実務は、他の領域と同様に、和解実務(settlement)を正規の処分手続・裁判手続の中に組み込んでおり、正式手続をへた処分・判決より優先して実現しようとしているが、和解に積極的に導く仕組みとインセンティブが用意されており、和解によらない解決はごくわずかという状況となっている。 しかし、和解によらない解決(つまり正式の手続で正式の処分や裁判を受けるという意味での解決)がほとんどないということから、和解をする潜在的責任当事者が完全に満足しているというわけではなく、和解をしないことのデメリットが大きいために、事実上は和解を強いられているといってもよい状況が生じている。今年度は、このような仕組みがどのように形成されてきたのか、そして、どのような基準がどのような形式で存在しているのか、そしてこのような実務が果たして正当なのかを主に検討してきた。 また、CERCLAの和解実務については、近年、連邦最高裁判所で興味深い判決が出されている。この判決によって、それまでの実務が修正を迫られていたが、その後の対応についても、検討した。
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