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2011 年度 実績報告書

法制度における性・性別の射程:性的指向・性自認の法的位置づけに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22730106
研究機関高岡法科大学

研究代表者

谷口 洋幸  高岡法科大学, 法学部, 准教授 (90468843)

キーワード国際法 / ジェンター / セクシュアリティ / 差別 / 人権
研究概要

国際的人権保障の文脈では、長らく、「性」あるいは「性別」にもとづく差別撤廃の取り組みとして、女性差別撤廃条約を中心に研究が展開されてきた。本研究では、ジェンダー論・セクシュアリティ論およびクィア理論の展開を踏まえ、「性」あるいは「性別」という文言の意味射程について、国際人権法の観点から分析を進めた。
本年度の成果は、以下の3点である。
(1)条約の解釈実践の分析
国際人権自由権規約、女性差別撤廃条約、子どもの権利条約の履行監視機関の実践を分析し、性的指向・性自認に関連する議論の位置づけを検証した。結果、人権の交差性(intersectionality)またはカテゴリーとしての被傷性(vulnerability)の文脈に位置づけられる傾向にあり、「性」「性別」という文言の解釈には大きく影響を与えていないことが明らかとなった。
(2)「性的指向」「性自認」に関する文書の分析
国際的な人権諸機関において、近年増加している「性的指向」「性自認」への言及を分析した。女性差別撤廃条約の一般勧告28や国連総会決議についてロビイイング活動をしてきた国際NGOからの聞き取りを行い、性に関する国際的な人権保障の障壁とその克服過程を検証した。
(3)研究成果の刊行
性的指向や性自認に関連する判例解説を集めた編著書(『性的マイノリティ判例解説』)を刊行した。また、性同一性障害者の家族形成と人権、ならびに国連総会における性的指向と性自認に関する人権決議についての論文を刊行した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 未成年の子をもつ性同一性障害者の名の変更2012

    • 著者名/発表者名
      谷口洋幸
    • 雑誌名

      季刊教育法

      巻: 172 ページ: 88-93

  • [雑誌論文] 性同一性障害/性別違和をかかえる人々と家族生活・家族形成2011

    • 著者名/発表者名
      谷口洋幸
    • 雑誌名

      家族<社会と法>

      巻: 27 ページ: 49-63

    • 査読あり
  • [雑誌論文] セクシュアルマイノリティの人権に関する国連決議2011

    • 著者名/発表者名
      谷口洋幸
    • 雑誌名

      季刊Sexuality

      巻: 53 ページ: 68-73

  • [学会発表] セクシュアル・マイノリティはTVの中だけか?:カテゴライズされた「男」と「女」2012

    • 著者名/発表者名
      谷口洋幸
    • 学会等名
      東京弁護士会両性の平等に関する委員会シンポジウム
    • 発表場所
      弁護士会館(東京:日本)(招聘)
    • 年月日
      2012-03-24
  • [学会発表] Law and Sexuality in Japan : Heterosexism, Gender Binary and Family Values2011

    • 著者名/発表者名
      谷口洋幸
    • 学会等名
      East Asia Law and Society Conference 2011
    • 発表場所
      延世大学(ソウル:韓国)
    • 年月日
      2011-10-01
  • [図書] 性的マイノリティ判例解説2011

    • 著者名/発表者名
      谷口洋幸・齋藤笑美子・大島梨沙編
    • 総ページ数
      247
    • 出版者
      信山社

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公開日: 2013-06-26  

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