本研究は、戦後日本の政策決定過程において野党が内閣の政策に及ぼした影響を明らかにすることを試みた。特に1990年代以降、いくつもの内閣が野党の掲げた政策に影響され、主要政策の一部に野党の構想を取り入れたことを明らかにした。野党が影響を及ぼすことになった主要な要因は二つある。一つは1994年の政治改革により選挙制度が小選挙区・比例代表制に変更され、二大政党化が進捗したこと。二つはしばしば国会が「ねじれ」の状況になり、内閣は政策課題に対処するためには政策について野党の考えを取り入れざるを得なかったこと。
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