2010年参院選において、同一政党(民主党)から2名の候補者が出馬した愛知県の有権者を対象に、選挙前・選挙後の2波WEBパネル調査を実施した。得られたデータを統計的に分析した結果、民主党に対する評価の高い人ほど、2名のうち相対的に不利と選挙情勢報道で評価された候補者に投票するという傾向が確認された。同一政党の候補者間での選択という状況に置かれた有権者の中に、選挙区の情勢を考慮に入れて戦略的に行動する者がおり、いわゆる「アンダードッグ効果」が生じているということが、我が国における選挙・投票行動研究では初めて実証された。
|