研究課題/領域番号 |
22730120
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研究機関 | 山口県立大学 |
研究代表者 |
浅羽 祐樹 山口県立大学, 国際文化学部, 准教授 (70403912)
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キーワード | 比較執政制度論 / 大統領制 / 憲法権限 / 党派的権力 / 政策課題 |
研究概要 |
本研究は、韓国の大統領制について、比較執政制度論の研究成果を活用し、多国間比較と時系列比較の中に位置づけることで、大統領の政策課題の立法化におけるヴァリエーションと変化を解明することを目的にしている。2年目である今年度は、党派的権力、中でも政党規律についてさらなる概念化と方法論的な精緻化を行うべく理論的考察を深めると同時に、大統領ごとに代表的な政策課題について分厚い記述を可能にするべく、史実の確認を行うなど、実証部分に着手した。 成果は次のとおりである。第1に、党派的権力を構成する2つの要素の1つである与党の議会支配について、政党システムの教科書に韓国事例を寄稿し、比較政治学の中で位置づける同時に、一般理論への含意を導き出した。 第2に、党派的権力を構成するもう1つの要素である大統領の与党統制について、日本との比較研究を行い、大統領制であるにもかかわらず政党規律が高い韓国と、議院内閣制であるにもかかわらず政党規律が低い日本という一見直感に反する対照例を通して、執政制度と政党組織という最近の理論的動向に対してアジア事例からのフィードバックを行った。 第3に、韓国で定評ある韓国政治の教科書を日本語に訳出し、広く韓国政治に対する理解の向上に資した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画どおり、理論研究、特に党派的権力についてさらなる概念化と方法論的精緻化を進めつつ、それに依拠しつつ、実証研究に着手し、一部、その成果を公表することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
完成年度にあたる平成24年度は、当初の計画どおり、理論研究と実証研究の成果を有機的に結合し、全体として一貫性のある成果を挙げるべく、その一部の現状点について、日本政治学会と日本国際政治学会で報告する予定であり、外部の評価を受け、研究の妥当性と汎用性を検証する。
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