今年度は、新聞記事データベースを用いたデータ作成にまずとりかかり、アメリカ連邦最高裁判事の指名(1937~2007年)をめぐりその働きかけが新聞記事において言及された利益団体のデータベース作成をNew York Timesに関しては終了した。しかし、クロスチェックの機能も兼ねて計画していたもう1紙のLos Angeles Timesについては作業の進行が予定よりかなり遅れたため、インタヴュー対象とする利益団体の絞り込み作業もずれ込み、アメリカへの調査旅行において想定していた利益団体関係者へのインタヴューと、利益団体所有アーカイヴにおける資料収集も予定通りには進まなかった。研究代表者が現地調査を行うことが可能な夏期や年末年始が現地での休暇時期と重なり、インタヴュー対象を確保しにくかったこともまた計画の遅れに影響した。そのため、区切りのいいところまで結果をまとめることができず、短期的な成果を発表するために学会報告向けに論文を執筆するという当初の目標は達成できなかった。しかし、New York Timesの紙面調査からは、最高裁判事指名に関する利益団体の働きかけに関して、当初予想していた時系列的変化がだいたいにおいて観察され、研究計画の大枠での方向性の正しさや実現可能性は確認されたので、2年次以降も初年度にとりかかった作業をまずは完成し、次の段階へと進む中で遅れを取り戻せるよう鋭意取り組むこととする。
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