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本研究は、循環型社会形成にかかわる国際規範を事例として、国際、地域（リージョナル）、国、地方（ローカル）の４層にわたる国際規範のサイクルを明らかにすることを第一の目的とした。第二に、同じ国際規範であっても、その受容が国や地域によって大きく異なることに着目し、一定程度の研究蓄積を有している日本や韓国と、国際規範発祥国のスウェーデンとを、比較政治論的に実証的に検討し、国内政治要因を見いだすこともめざした。
研究最終年度となる本年度は、第二の目的に照らし合わせて、スウェーデンでの国および地域レベルでの受容の把握に注力し、平成24年度のフィールド調査に加えて、更なる追加調査を行った。また、研究成果をまとめ、学会報告を行うとともに、一部を論文にまとめて公表した。
①国際規範“拡大生産者責任”の分別収集段階での実施にあたっては、日本では自治体、企業、市民などの分担責任が強調され、住民個々人の多大な努力や町内会といったボランタリーな組織活動に依拠しているが、スウェーデンでは民間企業の責任がより重く、また分別の担い手たる市民が分別しやすいように、利便性が重んじられ、それらが国や自治体の重要目標に据えられている。市民アクターの利便性が配慮されるにいたった過程とアクターの関与を、行政関連資料や先行研究、インタビュー、アンケート調査結果を組み合わせながら、通時的に分析した。
②分別を担う市民アクター向けのアンケート調査を、平成24年度末にルンド大学等の研究者の協力を得て実施したが、そのアンケート調査の集計、データ処理を行った。市民アクターにおけるゴミ分別、リサイクルの実態が、物理的環境、ジェンダー、知識とどのように関連しているのかについて分析した。
①家庭ごみ分別収集所を整備するアクター（自治体職員、住宅公社、住民組合等）に対し、インタビューを行った。また、フィールドワークも実施した。
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