本研究は、両大戦間期の東アジア国際秩序の解明を目的として、日中間で生じた満州問題に対するイギリの外交政策ならびにイギリス政府の認識の考察を行った。それにあたり、当時の日本の対中政策に対するイギリス政府の対応と認識を中心に考察した。当該期の東アジア国際政治史研究には、すでに優れたものが多数存在するが、満州をめぐる日中関係に対するイギリスの認識面に関しては、管見の限り体系的に論じた研究はそれほど無く、まだ研究の余地があると思われる。なお、本研究は、主にイギリス国立公文書館における一次史料収集、その読解といった実証的な研究方法を用いて行った。
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