当該研究課題は、ヒュームを「懐疑的啓蒙思想家」として捉えなおすことにあった。そのため、彼の懐疑主義を支える想像力についての彼の哲学的考察と位置付けを明らかにし、その社会科学的・政治学的応用である「意見」についてのヒュームの見解を『イングランド史』における展開まで含めて検討した。さらに、彼の宗教・教会論、18世紀末~19世紀初頭におけるヒュームの評価についても調査をした。具体的には、2度の国際学会での報告、および国際査読誌での論文公刊をおこなった。さらに、本研究課題の集大成として著書(Hume's Sceptical Enlightenment)の出版契約にいたることができた。
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