研究課題/領域番号 |
22730175
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研究機関 | 小樽商科大学 |
研究代表者 |
寺坂 崇宏 小樽商科大学, 経済学科, 教授 (60313920)
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キーワード | 修正Box-Cox変換 / ARMAモデル / 共和分 |
研究概要 |
平成23年度は、平成22年度に達成できなかった、修正Box-Cox変数変換を伴う定常時系列モデルのパラメータの数値推定法の改良、具体的には時間領域による推定より有効とされる、周波数領域における推定アルゴリズムの作成と、その数値評価の向上を目指した。しかし、これらの作業を進める中で、現在までに作成したプログラムの計算可能な規模が、分析するデータの大きさが4変数で期間が250期程度であり、期間を1000期、2000期と増やした場合には、大型計算機のメモリの限界の問題が生じて、計算が困難になることが判明した。また、計算速度の向上については、今後必要性に迫られることが十分に考えられる。そこで平成23年度は、これまでの15年にわたって研究で作成したFortran77でのプログラムの記述を、できるだけ最新のFortranの記述に書き直す作業を、最優先事項として実施した。この作業は、計算で使用する変数の数やデータの長さ(時系列データの場合は観測時点の数に相当)に対応させて、計算のために使用する領域を節約あるいは柔軟に変更できるようにして、メモリの不足を防止することを目的としているが、他にもFortran77の記述では検出が困難なプログラムのミスを減少させるような記述をすることにより、より確実な計算を進めることが出来るようになること、さらには、ベクトル化機能をさらに積極的に利用可能にすることで、従前のプログラムでは得られなかった計算速度の向上を獲得することも目的としている。平成23年度中には、書き直しの作業は終了するまでには至らなかったが、今年度の早い時期に終了して、残された研究課題の目的をできるだけ達成するように努めたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
これまで15年にわたって作成してきた一連のプログラムの記述の全面的な書き換え作業の遂行に、膨大な時間を取られているためである。
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今後の研究の推進方策 |
今年度前半のうちにプログラムの記述の全面的な書き換え作業を完成させる。その後、データの数および期間を拡張して、定常性の仮定に留意した上で、株価や労働市場のデータに対してモデルを適用して知見を得る。また、今年度中に研究計画のすべてを実施することは厳しい状況であるため、研究計画で実施を予定した、モデルを非定常データに対しても適用可能にするための理論面でのモデルの拡張および、それに対応するプログラムの作成(時間領域による推定より有効とされる、周波数領域での計算プログラムの作成)、モデルにおける検定法の再検討および改良、そして非定常データに対するモデルの適用については、実際の数値計算の実現を最優先事項として、研究を進めていくことにしたい。
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