研究課題
本研究課題の最終年度である平成25年度は、我が国の流通システムに関する経済学モデルを構築した複数の研究論文を、国際学会において報告を行い、さらに国際学術誌に掲載し、実績を得ることができた。第1に平成23年度から行ってきた、国際的な流通システムにおける並行輸入に関するモデルを構築した論文が、国際学術誌に掲載された。このモデルは、企業・消費者間で情報の非対称性が存在する状況では、消費者が多数のセグメントに細分化されている時ほど、並行輸入を禁止しない方が、消費者厚生が向上することを示したものである。第2に昨年度から行ってきた、小売部門を垂直統合した企業内において実質的な卸価格となる、振替価格の役割をモデル化した論文が、国際学術誌に掲載された。企業が価格競争に直面している状況では、全部原価を用いたチャネル管理を行うことが有利であることが、これまでの先行研究で通念として認められてきた。本研究ではこの通念的な結果を覆し、企業が潜在的な参入の脅威にさらされている時は、直接原価に基づいた振替価格設定の方が有利となることをモデルにより示した。第3に、ある製造業者が小売業者を通した間接流通チャネルと直販チャネルの2つを利用して生産物を販売している時、直販価格と小売業者への卸価格の決定をどの時点で行えば良いかという、最適意思決定時点を求めるモデルを作成した。この研究に関して、本年度にボストンで開催されたアメリカマーケティング学会(American Marketing Association)の学術会議(Summer Educators' Conference)において2本の論文を報告した。さらにこの成果は現在、国際学術誌に投稿中である。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)
International Journal of Production Economics
巻: Vol.147, Part.B ページ: 351-361
10.1016/j.ijpe.2013.08.019
Management Accounting Research
巻: Vol.24, No.3 ページ: 261-275
10.1016/j.mar.2013.01.001